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メガトレンド&10キートレンド
目次

目まぐるしく商品や消費者の嗜好も変化する健康食品業界。ここでは、海外のウェルネスフード情報から、2023年に大きな注目を集めるであろうトレンドをピックアップします。

ベースとしたのは、英国発の業界誌・New Nutrition Business(NNB)が毎年選出している「メガトレンド」と「10キートレンド」。 一時的な流行ではなく、2023年から数年にわたって継続的な需要が見込めるトレンドをピックアップして紹介します。

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New Nutrition Business誌(NNBマガジン)とは

英国発の業界誌The Centre for Food & Health Studies社が発行する、食品・健康・栄養に関するグローバル戦略、ブランディング、法規制、新技術の最新情報をタイムリーに世界に発信する業界専門誌(年間11回発行)。
1995年に創刊されたNNBマガジンは、現在42カ国1000社以上の業界エグゼクティブが購読しており、次なるヒット商品開発や経営戦略のヒントとして役立てられています。

グローバルニュートリショングループでは、これら最新情報を迅速かつ分かりやすく邦訳、会員サービス「GNG研究会」内の情報配信サービスにて、国内外の最新業界トレンドをメルマガで配信しております。

2023年のトレンドを見る前に…
絶対におさえておくべき
「メガトレンド」とは?

欧米で著名な業界誌「NNB誌」は、中長期的な成長の可能性のある「10キートレンド」を毎年選出していますが、健康食品のトレンドは、時代の変化で目まぐるしく変わっています。

しかし食品である以上は年代や分野に関係なく考慮すべき一定のトレンドは継続しており、その包括的なトレンドとして「NNB誌」が定義しているものが「メガトレンド」です。
ここではまずこの「メガトレンド」について、詳しく解説していきます。

※こちらはGNG研究会が配信している「NNB誌」10キートレンド2023邦訳版の要約版です。

  • メガトレンド1:機能性を重視した天然素材
  • メガトレンド2:健康に関する興味・嗜好の多様化
  • メガトレンド3:ウェイトウェルネス
  • メガトレンド4:剤形のスナック化は戦略の基軸
  • メガトレンド5:サステナビリティ
参考資料:10キートレンド2022日本語要約版
資料提供:株式会社グローバルニュートリショングループ(https://global-nutrition.co.jp/

メガトレンド1:機能性を重視した天然素材

信頼性と人気が高い天然由来食品

消費者は、加工をされ、添加物の入った食品より、ヘルシーな天然由来の食品を身体にできる限り取り入れたいと考えています。

そのため、天然由来の食品であれば、消費者の興味を惹くことができますが、ただ天然由来の食品を開発すればよいというわけではありません。それでは、スーパーに売っている野菜と変わらず、当たり前の食品としかみなされないからです。

そこで必要になるのが「機能性」。天然食品の機能性を訴求し、新たな商品として認知されることが大切です。

例えば、古くからある伝統食品の良さにくわえ、そこに新しい考え方や技術を取り入れて、新しい価値を生み出すなどがそれにあたります。

伝統食品のイノベーション事例として、血圧を改善する効果が期待出来るアーモンドを配合し機能性を持たせたシリアルなどがあります。

このように、天然由来の食品から機能性を謳う新商品の開発は、これからもトレンドとして残るでしょう。

消費者が進んで購入をする
「健康ハロー効果」が重要

天然由来の機能性を訴求する食品は、科学的ヘルスクレームを証明しなくてもメディアや口コミで広がっていきます。天然由来の機能性は、そのくらい消費者に受け入れられます。そのため、健康ハロー効果を望めます。

健康ハロー効果とは、天然の機能性食材の分量に関係なく、その食材を使用すれば、消費者は購入するということです。この健康ハロー効果を活用すれば、高額な天然の機能性食材を大量に使用しなくても、十分消費者に売れる新商品を開発することは可能なのです。

メガトレンド2:健康に関する
興味・嗜好の多様化

マス消費の終焉。
スマホの普及による
消費者ニーズの細分化

スマホやパソコンの普及によって、食品や健康の詳細な情報を誰でも調べることが可能となり、消費者は自分の健康に必要な食品について理解が進みました。

そして、消費者が健康的と感じる食品の幅は広がっています。もはや、平均的な消費者は存在せず、個々の興味に向けた健康分野へ向けた機能性を謳う商品を開発することが必須。

これから健康食品のヒット商品を開発するには、想定する消費者のニーズに対して適切なベネフィットの商品を届けるマーケティング戦略が不可欠となったのです。

専門家が推薦しても売れない。
専門家の「権威」低下

消費者の健康や食品のリテラシーが高まったことにより、食と健康に関する専門家の権威も低下も進んでいます。消費者は、自分の健康に必要な食品の機能性を自分で調べます。そして、それは健康や栄養学の権威に頼らなくなっています。例えば、「卵は取り過ぎてはいけない」という栄養学に反して、卵の消費量は増加しています、

また、栄養学の分野でも、食品の栄養についての意見はそれぞれの専門家で異なる傾向が出ています。それは時代とともに健康や栄養学がアップデートされるからです。 これからは、専門家の権威だけでなく、消費者が直接分かる機能性を謳う商品開発が大切です。

メガトレンド3:
ウェイトウェルネス

ウェイトウェルネスは
ライフスタイルの一部

健康食品のトレンドの背景に、ウェイトウェルネスがあります。体重を管理し、見た目も太っていないことを意識する人がほとんどです。 これは、見た目も美しく健康的であることがよいというメディアや医療の影響です。そのため、プロティンを多く取り、炭水化物を抑えることを、多くの消費者が好みます。 もはや、ウェイトウエルネスは社会に浸透しているため、食品の機能性と体重の減少を関連付ける商品には将来も一定のニーズがあります

細分化して考える
ウェイトマネジメント

ウェイトウェルネスが定着している反面、ウェイトマネジメントの細分化しています。例えば、消費者の目的がカロリーを減らす場合と筋肉量を増やす場合とでは、ウェイトマネジメントの目的が異なります。そして、その方法である消費者が購入する機能性を有する商品も変わります。 このように、消費者のニーズ細分化して考えることで、開発するウェイトウェルネス商品の設計が見えてきます。具体的な商品設計をするほど、消費者ニーズに訴求しやすくなります

メガトレンド4:
剤形のスナック化は戦略の基軸

スナック化戦略はまだまだ有効

参入に際して低リスクなのもあり、2004年から2018年にかけて、ノンフライをはじめ素材に米や豆などを使用したヘルシースナックの商品が増加。剤形もバー、一口サイズのスナック、チップスなどが多種多様な形が発売されました。

その後も新型コロナウィルスのパンデミックによる在宅勤務も追い風もあり、スナックの需要は拡大し続けています。

このように、スナックのニーズは最高潮に達したかのようにみられますが、在宅任務によるリモートワーク体制は定着しつつあるため、これからもスナック需要は十分あるといえます。そのため、ブランド・カテゴリーの中で、スナック化戦略はこれからも基軸と考えられます。

成熟しきったマーケットに必要な
マーケティング戦略の充実

ブランドやカテゴリーのスナック化をするときに重要なのは、緻密なマーケティング戦略です。

例えば、「プレミア価格の商品開発」「あらゆる場面でのスナック提供を想定」「従来商品の再開発」「他所の商品の取り入れ」「主要な成長トレンドとの関連付け」「罪悪感なく食べられる」などをマーケティング戦略に取り入れることを有効な手段の一つと言えます。

このように消費者のニーズを細分化し、消費者がいつどこでどのような目的でどうやって食べるかを考え、商品開発していくことがカギになるでしょう。

メガトレンド5:
サステナビリティ

消費者も注目する
サステナビリティは企業戦略の一部

SDGsは今や世界中に認知され、消費者はサステナビリティに優れた商品を購入する傾向は高まっています。サステナビリティを信念とする消費者は自分が購入する商品の環境負荷が高ければ、代替商品を探します。

そのため、企業戦略として、サステナビリティを取り入れることは重要です。しかし、サステナビリティの定義は、消費者でも様々です。そのため、サステナブルを具体化したマーケティング戦略が実施することが重要です。

個々が求める
サステナビリティの細分化

サステナビリティの定義は消費者により様々です。
例えば、農薬量が少ない、地産地消やサプライチェーンが短いこと、環境問題への配慮、プラスティックが少ないこと、加工度が低いこと、生産者への公正な分配などがあげられます。

このようなサステナビリティの要素を3つ程度選択、考慮した商品開発を行い、細分化したマーケティング戦略を立てていくことが大切です。

国内外の最新健康食品情報が受け取れる「GNG研究会」とは

グローバルニュートリショングループにて提供させていただいてる月額会員サービスで、NNB誌の10キートレンド・マンスリーレポートの邦訳版にくわえ、隔週で配信される国内外の最新健康食品レポートや、年4時間まで利用でき、ご希望のテーマの社内研修にも変更できるコンサルティングサービス、会員限定セミナーへの招待など、多岐にわたります。

詳しくは以下リンク先よりご確認ください。

2023年の
「NNB 10キートレンド」

10キートレンドは、NNBマガジンが選出する、食品・栄養・健康ビジネスの将来的な方向性を示す「長期的」かつ「成長のチャンスがあるグローバルなトレンド」。
一過性の「ブーム」ではなく、少なくとも5年以上は世界の食品・栄養・健康業界に影響を与える以下「トレンド」が選ばれています。

  • Key Trend 1: 炭水化物:ベネフィットのある穀物、より少なく、より環境に優しく
  • Key Trend 2: 多様化する腸のウェルネス
  • Key Trend 3: 植物をより便利に~存在感を増すプラントベース
  • Key Trend 4: 新たな価値で生まれ変わる動物性プロテイン
  • Key Trend 5: 甘さの再発明
  • Key Trend 6: 植物性プロテインのパラドックス
  • Key Trend 7: 脂肪の再定義
  • Key Trend 8: ムード&マインド
  • Key Trend 9: リアルフード&超加工食品の課題
  • Key Trend 10: 本物らしさ&来歴
    参考資料:10キートレンド2023日本語要約版(https://global-nutrition.co.jp/information/nnb202301/)
    資料提供:株式会社グローバルニュートリショングループ(https://global-nutrition.co.jp/

今回はその中から特に注目される一部トレンドをご紹介いたします。

※こちらはGNG研究会が配信している「NNB誌」10キートレンド2023邦訳版の要約です。詳しくはグローバルニュートリショングループの会員サービス「GNG研究会」にてご確認ください。

GNG研究会の詳細はこちら

トレンド3:植物をより便利に~存在感を増すプラントベース

ギルトフリー食品として、現在の食品・栄養業界でますます注目をされている植物。この植物を戦略に取り入れ成功するための4つのポイントをまとめました。

植物をさらに活躍させる4つの戦略

ヒーローとしての植物

消費者にとって野菜や果物といった植物は、肉や油脂なと違い罪悪感なく摂取できるため、健康ハロー効果が期待できる食品。
実際、多くの消費者にとって野菜の含有量が高いか低いかは関係なく、それが5~10%であっても、手に取りやすく気軽に食べることができる植物は重要なのです。

炭水化物を本物の野菜に置き換える

世界的に何かしらの理由で炭水化物の摂取を控えている人々が増加している現在、炭水化物の一部を野菜に置き換えた商品が注目されています。
米、パスタ、ポテトの炭水化物にくわえ、肉の代替品を野菜で作ったBirds Eye US社のVeggie Swapsシリーズは、発売した2020年に11.6百万ドルの売上を達成するなど、プラントベース商品を戦略に据えた企業の成長には目をみはるものがあります。

ハーブおよびスパイス原料の健康ハロー効果

野菜や果物だけではなく、古来よりその薬効が認められてきたハーブやスパイス類も注目されています。
西洋・東洋問わず代表的なスパイスであるターメリック(ウコン)やシナモン、カモミールなどの様々な素材が、サプリメントだけにとどまらず菓子類や飲料などに配合されはじめており、健康ハロー効果によるイメージアップに一役買っているのです。

収益性の高い植物パウダー

主にアジアや米国で浸透している植物パウダーは、スムージーに混ぜるなど調理法を気にせず栄養素を簡単に摂取できることから、欧州への広がりを見せています。
さらにパウダーはメーカーにとって収益性も高いうえに、他栄養素を加えるなどの応用も効きやすいため、消費者にとって魅力的な商品を作りやすいという利点もあります。

トレンド4:新たな価値で生まれ変わる
動物性プロテイン

プラントベース市場が盛況の中、栄養価の高い乳製品を中心に動物性プロテイン製品も需要が拡大中。特に注目されるのが乳製品で、メーカー各社が乳製品の栄養価を活かした新たな価値を与えて、商品を刷新をしています。
また、食肉製品もほとんどの国で根強い人気があるため、消費者に動物性の製品についても魅力が伝われば、購買への障壁は高くはないのです。

動物性たんぱく質で成功するための8つの戦略

先述の通り動物性プロテイン製品の市場は拡大していますが、サステナビリティに価値を置く消費者は、旧来のような動物性プロテイン製品の購入をためらうおそれがあります。
こうした消費者に動物性プロテイン製品のメリットが伝わることが重要。特に高所得者層をターゲットとするとき、プレミアムでニッチな新しいブランド価値を訴求することが必要です。

その新しい変化をするために重要となるのが、以下の8つの戦略となります。

  1. サステナビリティに参加し楽しめる
  2. 動物性プロテインの品質の優位性を伝える
  3. グラスフェッド(牧草飼育)
  4. 栄養素密度の高さ
  5. ヘルシースナックや食事の中心として生まれ変わる、天然由来タンパク質のチーズ
  6. 手軽にタンパク質が摂取可能な肉のヘルシースナック化
  7. 効果に関心が寄せられるコラーゲンの新しい方向性
  8. 肉とブレンドされた植物

※戦略の詳細についてはGNG研究会が配信している「NNB誌」10キートレンド2023邦訳版にてご覧ください。

このように消費者が購入する理由を与える保険となるメッセージが伝わるように訴求できれば、消費者の動物性プロテイン製品購入の後押しとなることが期待できます。

2024年トレンドバナー

これらNNB10キートレンドの理解を深めるためには、10キートレンドのみではなく、弊社メルマガサービスにて毎月配信される世界の最新健康食品レポートの事例を合わせてご覧いただくと、より理解が深まるのでおすすめいたします。

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