2023年の「Natural Products Expo West」の注目トレンドの１つがコラーゲンです。「Natural Products Expo West」は、「新興ブランド」「食品・飲料トレンド」「新商品イノベーション」の発信地で、米国の健康食品の注目トレンドが分かります。2023年の開催では、出展社数「55か国から3,171社」来場者数「65,000人以上」を記録し、健康食品のトレンドに大きな影響力があります。ここでは、注目されるコラーゲンと可能性について解説します。
注目されるコラーゲン
消費者のコラーゲンに対する関心の高まりは、Google検索数でも顕著です。コラーゲンの検索数は着実に増加し、プロバイオティクスを現在は上回っています。
健康や美容へのコラーゲンのサプリの効果は「肌の水分補給」「弾力性、シワの改善」「変形性関節症の症状の改善」などが知られています。しかし、コラーゲンの効果の科学的根拠は解明されていない要素も少なくありません。
科学的な裏付けへの
期待が高まっている
コラーゲンの研究は
現在も進行中！
科学的なエビデンスを得るためのコラーゲン研究はまだ完成していません。人を対象とした試験はまだ小規模です。しかし、肌の老化に対する研究ではコラーゲンの「肌の水分補給」「弾力性、シワの改善」効果が支持されています。また、「変形性関節症の症状改善」のレビューも近年出ています。これらの研究結果は、使用されるコラーゲンぺプチドが加水分解コラーゲンかどうか、海洋性または牛由来であるかどうかで異なります。「Gelita社」の「Stephan Hausmanns博士」は、「コラーゲンペプチドは単一の物質ではなく、コラーゲンを加水分解した可溶性たんぱく質の総称で、加水分解の程度と混合物中の生理活性ペプチドの有無に応じて変化し、異なるヘルスベネフィットをもたらす」と説明しています。コラーゲンの種類や吸収の状況などで健康への効果も異なることが分かってきてます。
コラーゲンの種類と可能性
コラーゲンは28種類あるが、「I型」「II型」「III型」で体内のコラーゲンの80～90％を占めます。「I型」「II型」は皮膚や靭帯などの構成要素で、「II型」は軟骨や眼球に含まれます。
「Gelita社」はミトコンドリアの健康に関するコラーゲン成分で特許を取得しました。しかし、コラーゲンペプチドとミトコンドリアの関係を示すにはさらに数年がかかる可能性があります。
また、「Gelita社」は「創傷治癒」「皮膚疾患」「口腔の健康」分野の研究も行い、2022年に「Immupept」を発売し、免疫の分野に進出しています。
このように、コラーゲンの種類とその健康への効果は少しずつ解明され、製品かも進んでいます。
コラーゲンの成長分野
スポーツニュートリション
コラーゲンの新たな成長分野として注目されているのが、「スポーツニュートリション」です。「Gelita社」によると、筋繊維がコラーゲンによって支えられることを理解しているスポーツ愛好者は少なくなく、コラーゲン製品の大きな推進力になっていると言います。この「スポーツニュートリション」分野の成長の可能性に支えられ、コラーゲンの効果を証明する研究開発も進んでいます。
コラーゲンの広がる可能性
大手食品メーカー「Nestlé Health Science社」もコラーゲンブランド「Vital Proteins社」を買収し、コラーゲン分野の成長に期待を高めています。この買収は2億ドルを超え、コラーゲン系ウェルネス企業では初めてのことでした。
「Rousselot社」の「Gaetan Noiret氏」は、医療関係者もコラーゲンに関心を寄せていることを指摘しています。医療関係者の教育レベル高く、コラーゲンの重要性への理解も深いため、コラーゲンの効果を研究する科学に投資し続ける必要性を同社は認めています。