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プラントベースのポリフェノールを豊富に摂取する地中海食に注目

地中海のクレタ島では血性心疾患の発症率が低いことが知られており、その食事も注目されています。

地中海食の特徴は「豆類やナッツの摂取量が多い」「魚介類を習慣的に摂取」「全粒穀物や季節の野菜・果物を豊富に摂る」「油の摂取はオリーブオイルが主体」などがありますが、そこにプラントベースのポリフェノールを多く摂取することにより、通常の地中海食よりも内臓脂肪の減少に有益に働く可能性が示されています。

「クリーンラベル」と「ポジティブな栄養表示」が消費者の注目を集める

健康やウェルネスへの注目が高まっている現在、アジア太平洋地域(APAC)の消費者においては、「クリーンラベル」と「ポジティブな栄養表示」を行っている製品を重視するという点が報告されています。さらにこのようなニーズに対応するため、食品ブランドや飲料ブランドもイノベーションを強化する、と予想されています。

FDA、食品表示に対する「Healthy」の基準改定を提案

米国食品医薬品局(FDA)では、食品表示に対して「Healthy(健康的)」と表示を行う際の基準改定を行うという提案が行われています。

消費者が栄養と食事パターンの改善を行い、慢性疾患の負担を軽減し、健康の公平性を高めるといった点を支援するという取り組みの一環となっており、「Healthy」の定義は栄養科学や最新食品表示、現在の米国栄養ガイドラインと一致させることが提案されています。

酪酸塩が食物アレルギーの症状軽減に役立つ可能性が示唆

「酪酸塩」がアレルギー疾患の症状軽減に役立つ、という可能性が示唆されています。これはChicago大学の研究によるものです。

腸内細菌の中で、酪酸などの代謝物を産生して善玉菌の増殖を促して腸の粘膜を維持する酪酸生産菌が不足した場合に食物の断片が腸から漏れ出してアレルギー反応に繋がる可能性がありますが、研究チームによる実験において酪酸塩がアレルギー反応に対し明るい見込みを示した、としています。

パーソナライズされた商品やサービスへの関心が高まっている

Covid-19のパンデミック以降、一人ひとりの消費者が持つニーズに合わせた商品・サービスへの関心が高まっています。たとえば遺伝子検査や腸内細菌叢検査をもとにしたサプリメントのような「柔軟でパーソナライズされた商品」に消費者は価値を感じています。また、サプリメントの摂取を忘れないよう通知してくれるサービスなども提供されています。

新規食品としてガイマイゴミムシダマシが認可

今秋を食品とすることは温室効果ガスの削減や食品廃棄物削減に繋がるだけでなく、たんぱく質資源としても注目されています。2023年、欧州委員会(EC)にてガイマイゴミムシダマシが新規食品であるノベルフードに認可されました。これは、乾燥イエローワームやトノサマバッタ、ヨーロッパイエコオロギなどに続く4例目です。今後、スナック菓子やパスタ製品、肉代替品に使用される可能性があります。日本でも昆虫食について賛否両論出ており、今後は業界として正しい情報や選択肢を提示することが大切だと考えています。

ダークチョコレートに基準値を超える重金属が含有

大手チョコレートメーカーであるHershey社が販売している製品に基準値を超える重金属が含まれているとした訴訟が起こされました。他のチョコレートメーカーでも比較的高いレベルの重金属含有が判明しており、長期間摂取し続ければ健康上の問題を引き起こす可能性があります。ただし、調査結果の中にはアメリカで最も厳しい基準を定めているカリフォルニア州法に基づくものであり、国際基準地とは異なる可能性があることに注意が必要です。

腸内細菌代謝物質のプロピオン酸が認知機能低下を促進する可能性

フランスやスペインの研究で、腸内細菌が代謝する物質であるポストバイオティクスが、高齢者の認知機能低下に関連することが示唆されました。特に、肉、乳製品、加工食品の摂取と関連するプロピオン酸濃度の増加と認知機能低下の促進との関連が指摘されました。この研究は1999年にフランスの3都市で開始され、65歳以上で施設に入っていない高齢者9,294人を対象としました。プロピオン酸は認知低下との有意な関連を維持しているとされています。ただし、研究者は偽陰性のリスクや小規模サンプルサイズなどの制限を指摘し、今後の研究への期待を示しています。

コーヒーの健康効果と糖質の過剰摂取対策のバランス

コーヒーの健康効果として、含まれている成分による脳卒中や認知症、不整脈などのリスクを低下させることは知られています。コーヒーの新たな研究として、加糖コーヒーと無糖コーヒーの死亡率との関係を調査した結果、コーヒーを飲まない参加者と比較して16~31%も死亡率が低いことが判明。加糖コーヒーでも死亡率低下の効果が見られたことは喜ばしいかもしれませんが、この研究ではコーヒー1杯につき小さじ1杯程度の砂糖を入れたものであり、市販の缶コーヒーやカフェの甘いコーヒーよりはるかに砂糖量が少ないことは忘れてはいけません。

ビタミンCの推奨摂取量に各国・地域で大きな違い

ビタミンCの推奨摂取量はベースとなる科学的根拠は一貫しているのですが、最低摂取量と最高摂取量の差が3倍近くになるなど各国・地域で大きな差があることは分かりました。ビタミンC欠乏症予防のための数値と、十分なビタミンC維持のための数値が異なるためであると考えられています。ちなみに、日本の成人では1日100㎎をビタミンCの推奨量としています。また、ビタミンCは体重が多い人に少ない傾向にあることから、体重を考慮した推奨量の設定についても検討が行われるかもしれません。

パレオダイエットの位置づけを再評価する必要がある

大規模なメタ分析の結果によるとパレオダイエットが健康的な食事法であることが示されており、その次にDASH食・地中海食が続くと言われています。研究者らの意見として「単なる流行の食事法である」と評価されているパレオダイエットの位置づけを見直す必要があるともされています。一方でパレオダイエットにおいて避けるべきとされているチーズの人気は衰えておらず、乳製品への評価は未だ分かれている状況となっており、消費者トレンドの細分化は引き続き加速することが感じられます。

日本人の健康寿命は延びている傾向にある

2021年12月に厚労省が発表したデータによると、2019年における日本人の健康寿命は男女ともに前回調査(2016年)より少し延びる結果となっています。米国の国立廊下研究所でも同様のテーマを取り扱っており、健康的な廊下のためのアドバイスとして「地中海食・減塩食でもあるDASH」「地中海食とDASH食を組み合わせたMIND食」の2つを紹介しています。その他睡眠時間についても言及するなど、健康的な老化を迎えるためのさまざまなテーマについて取り上げられています。

EUに比べると、日本人の野菜・果物摂取量は不足している

COVID-19の影響から健康志向はますます高まっており、野菜に注目が集まっていることが間違いない状況となっています。EU加盟国では1日に400g以上の野菜と果物を窃取していると回答した人が多かった国はアイルランド・オランダ・デンマーク・フランスとなっていますが、日本では厚労省が推奨する野菜・果物摂取量(野菜350g、果物200g)に対して2019年における日本人の野菜摂取平均量は288g・果物摂取平均量は108gとまだまだ不足している状況です。

数年で業界が変わり、消費者は柔軟に受け入れる

米国のミートスナック売上は、2021年に19%増の42億ドルを記録するなど目覚ましい伸びを示しています。これは2015年頃当時の業界における常識に反している結果となっており、今では多くの消費者ニーズに合致している結果となっています。また、コラーゲン市場も成長を続けており、若い女性たちは牛由来のコラーゲンを受け入れながらプラントベース主体の食生活を送っている方が多くなっている層です。消費者は「自分に合ったもの」を求めながら柔軟にイノベーションを受け入れています。

EC市場の成長に影響を受ける、ドラッグストアのリアル店舗

米国のドラッグストアチェーンCVSを展開するCVS Health社が、2022年春から3年間に亘って年間約300店舗を閉鎖すると発表しました。3年×300店舗=900店舗もの閉鎖は、全体の約1割と大きな影響を与えます。業界2位のWalgreensもコスト削減のため約400店舗を既に閉鎖しており、さらに主要都市の複数店舗も閉鎖が進められています。オンラインショッピングの成長の影響も大きく、米国におけるドラッグストア市場は非常に厳しい状況となっているようです。

免疫サポートに関するプロバイオティクスの役割への情報や知識が浸透していない

免疫維持のために利用しているサプリメントの多くはビタミンC、ビタミンD、ビタミンBであり、プロバイオティクスの役割認知は25%程度しかないことが明らかになりました。プロバイオティクスが健康に良い影響を与えるという知識は持っていても効果について知っている人は少ないだけでなく、菌が発酵過程の一部として含まれるだけであることや殺菌処理などの過程で死滅する事についての情報を消費者だけでなく小売業者にも伝えていくことが重要です。

COVID-19患者の回復の向上のために栄養サポートが重要

英国、スペイン、イタリア、フランス、ドイツのCOVID-19入院患者を調査したところ、入院期間が延びることによって栄養失調有病率が高くなっています。COVID-19の患者は嗅覚や味覚の喪失・変化や、下痢や嚥下障害などの症状を有する場合があり、栄養問題を悪化させる要因となっています。退院後に栄養サポートを受けた患者の過半数が回復に役立ったと回答。回復向上のためには、医療ケアだけでなく栄養サポートが重要であり、入院中だけでなく退院後の継続的なケアの必要性が浮き彫りになっています。

アストラガルス(キバナオウギ)の根(AMR)は激しい運動による免疫抑制を防ぐ

ポーランドの研究で、運動テスト後にAMRを摂取したグループとプラセボを摂取したグループを比較。血液サンプルを採取してインターロイキン2(IL2)や乳酸値などを測定した結果、AMRを摂取したグループはプラセボグループと比較してIL2/IL10の変化が増大、激しい運動に反応したIL2濃度の低下が進むなどの結果が見られました。つまり、AMRは激しい運動後の免疫バランスを回復させると結論づけられたのです。

米国では食品小売業者が機能性飲料・ニューエイジ飲料の商品棚を拡大

Mintel社の世界市場調査で、メンタルや感情に関する健康維持を目的とした機能性飲料の需要が高まっていることが判明しました。食物繊維とプレバイオティクスが機能性飲料で多く求められており、スーパーマーケットチェーンであるHarmonsは低糖のフレーバーウォーター、炭酸水分野の売り場確保に注力。Sprouts Farmers Marketでもレジ付近に新しい飲料水や機能性飲料を販売するディスプレイを展開しています。

スペルミジンには加齢による影響も抑制する可能性がある

大豆、チェダーチーズ、キノコ類、マンゴー、小麦胚芽などに含まれているスペルミジンは、ポリアミンの一種です。以前からスペルミジンが人気機能や脳の健康維持に有効であることが知られていましたが、45~84歳の被験者を対象とした研究によってスペルミジンを高摂取すると死亡率が低下する、低接種群と比較して約5.7年の老化の差があったことを示しています。スペルミジンは加齢とともに減少するため、サプリメントなどでの効果的な使用が期待されます。

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