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米カリフォルニア州に本拠を置く乳製品メーカー、Clover Sonoma社。近年サスティナビリティへの積極的に取り組みで注目を集める同社が、2022年4月に発売したのがフレーバーオーガニックミルクの「Moon Milk(ムーンミルク)」です。

スタイリッシュでSNS映えするパッケージデザインもさることながら、睡眠やメンタルをサポートする乳製品として注目を集め、市場に大きなインパクトを与えています。 ここでは、「Moon Milk」がなぜヒットしたのか、その理由やトレンドなどの背景を紐解いていきます。

この記事を作成したのは…
Zenkenウェルネスフード調査チーム

「健康美容EXPO」などの健康食品に関連するメディアを運営するZenkenが
今消費者に求められているウェルネスフードとは何なのかをリサーチ。国内外のマーケティング成功事例・失敗事例などを独自の目線でピックアップしてご紹介します。

「Moon Milk(ムーンミルク)」とは?

Moon Milk(ムーンミルク)
引用元HP:Clover Sonoma
(https://cloversonoma.com/inventory/golden-moon-milk/)

一般的にムーンミルクとは、「体を温めて免疫力を高める」というインドの伝統医学「アーユルヴェーダ」の考えに基づき、様々なスパイヤやハーブが配合されたホットドリンクのことを指します。

Clover Sonoma社のMoon Milkはターメリックジンジャー味の「GOLDEN MOON」、チェリーベリーハイビスカス味の「PINK MOON」、ブルベリーラベンダー味の「BLUE MOON」の3種類。女性が好むカラフルなパッケージデザインで注目を集めるだけでなく、Moon Milkを使ったレシピを公式ホームページやインスタグラムなどのSNSで拡散することで、大きな反響を呼びました。

Clover Sonoma社は「Moon Milkの植物由来成分をコーヒー、紅茶、スムージー、シリアル に使うと安らぎを得られる」とし、リラックス効果でも注目を集めています。

「Moon Milk」の成功要因は?

では、Clover Sonma社の「Moon Milk」がヒットした要因はどこにあるのでしょうか?1995年創刊で、42カ国、1000社以上におけるウェルネスフード業界の上級管理職が購読している専門媒体『New Nutrition Business』の分析レポートから、その成功要因を3つに絞ってお伝えします。

参考資料:NNBマガジン2022年7月号日本語要約版
提供元:株式会社グローバルニュートリショングループ(https://global-nutrition.co.jp/
NNB 2022年7月号日本語要約版
NNB 2022年7月号日本語要約版

成功要因その①:ムーンミルクとしては初の冷蔵RTD飲料

実はClover Sonma社の「Moon Milk」以外に、牛乳に混ぜるためのスパイスやハーブ入りムーンミルクパウダーを販売している会社はすでに存在していました。

そんな中で、Clover Sonma社冷蔵の「Moon Milk」がヒットしたのは、このオーガニックのムーンミルクとしては初となる冷蔵RTD(Ready to Drink=すぐ飲める)飲料だったこと。他社がRTDに手を出したくても出せなかったのは、ウコンなどの植物性原料を使った場合、味や色に悪影響を与えてしまうから。1916年に創業で、乳製品に関する豊富なノウハウを持っていたClover Sonma社だからこそ、商品化が実現したと言えるでしょう。

同社の税務担当であるKristel Corson氏は「商品開発では、何度もやり直しがあった。しかし、本物の牛乳をバランスよく使うことで、クリーミーさとまろやかさが原料を結び付けた」と語っています。

成功要因その②:インスタ映えで女性消費者をつかむ

Clover Sonma社の「Moon Milk」は、WEB上での訴求に成功した事例の1つと言えます。インスタグラムの公式アカウントの投稿数は決して多いとは言えないものの、インスタ映えするカラフルな見た目で、多くの女性消費者のハートをつかみました。

公式サイトでも影響のあるシェフやインフルエンサーとタッグを組み、「GOLDEN MOON」「PINK MOON」「BLUE MOON」の3種類それぞれを使ったレシピを公開し、知名度を高めていきました。

32オンス(946ml)入りカートンで、希望小売価格は5.99ドル(日本円で約842)。やや高価ですが、健康やおしゃれのためなら投資を厭わない健康志向の高い層に今後も支持を集めていく可能性を秘めています

成功要因その③:「これまでやってきたことをする」

乳製品はオーツミルクに代表されるように、プラントベース代替品の台頭が目覚ましい分野。そんな中で、1916年の創業以来、乳製品を作り続けてきたClover Sonma社がヒット商品を生み出せたのはなぜでしょうか? 同社のKristel Corson氏いわく「これまでやってきたことをする」が成功の要因。Clover Sonoma社は牛乳が本来持っている鎮静作用、天然由来のマグネシウムとトリプトファンに注目し、リラクゼーション効果と結び付けて「Moon Milk」を発売しました。 真新しい取り組みをせずとも、自社の強みを生かすことでイノベーションが起こせる好例と言えるでしょう。

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